《出演者紹介vol.4》

ブランデンブルク愛好会
[ピアノ五重奏]

●ブランデンブルク愛好会:ヨハン・セバスティアン・バッハ作曲「ブランデンブルク協奏曲」(全6曲)にインスパイアされ命名。「そのとき集まりたい仲間がメンバー」をコンセプトに、不定期に活動中。

~“当たり前”を大切にして~
今回は、ブランデンブルク愛好会の代表者、杉並範子医師(産婦人科医)にお伺いしました。

― ブランデンブルク愛好会としては初の演奏会出演になると伺いました。
もともと、ヨハン・セバスティアン・バッハが作曲した「ブランデンブルク協奏曲」を演奏しようと、スタジオを借りて演奏していました。外部での演奏を目標に集まったわけではなかったのですが、「いつか披露したいね」と言っていました。ですので、こうしてお披露目ができることをとても嬉しく思います。― どのようなメンバーなのでしょうか。
所属している楽団のメンバーや個人的な知り合いの方にお声かけしています。
アンサンブルを組む時は、曲目はもちろん、一緒に演奏したい仲間も大切な要素です。「この人と演奏したい!」という思いは演奏にも影響してくると思います。アンサンブルには演者のキャラクターがよく出て、演者同士が触発し合い、良い演奏が出来上がります。今までにいろいろな仲間とアンサンブルしてきましたが、同じ曲でもメンバーが変わると全く違うものになるので興味深いです。メンバーの感性や価値観、熱量が混ざり合って良いものになる気がします。― 院内で演奏会を企画されているのはなぜですか?
当院では、患者さん一人ひとりに寄り添っていきたいと考えています。言葉にするのは簡単ですが、それが実現できるよう、健康を維持するサポートを実践していきたいと思っています。演奏会は、40~50分ですが、通院されている方が少しでもリラックスしていただければと思っています。音楽には医療ではできない良い効果があると思います。患者さんから「演奏会はまだですか」と聞かれるととても嬉しいです。

― 今回はどのような曲を演奏いただけるのですか。
今回は、バッハではなく、シューベルト作曲の「鱒」(ます)という曲を演奏します。全部で5楽章のうち、4楽章は音楽の教科書にも掲載されており、皆さん一度は聴いたことがあり、なじみのある曲だと思います。フジフェス2022では5楽章のうち、1・3・4楽章の演奏を予定しています。

― 「鱒」の聴き所を教えていただけますか。
この曲は、ピアノとヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの5つの楽器で演奏します。ピアノ五重奏にコントラバスが入った曲は珍しく、中でもシューベルトの「鱒」は有名です。
皆さんお馴染みの4楽章は、一つの主題を次々に形を変えて現していく変奏曲となっています。一つの主題でこれだけいろいろな表現ができるのかと、とても驚きのある楽しい曲です。
また、主題を奏でるメインの楽器もどんどん変わるので、今、どの楽器がメインを弾いているのかと注目してみてください。

― 3年ぶりのフジフェスとなりますがいかがでしょうか。
近年の感染症まん延により、コンサートという言葉自体を聞く機会が減りました。久々の演奏会となり、楽しみにされている方も多いでしょう。それは演奏側も同じで、集まって練習さえできない日々が続いた中、久々に会うとやはり生で会えるのはいいなと思い、演奏ができることをとても楽しみにしています。
改めて、人と会うという当たり前のことが、とても大切だと実感しています。演者同士で会えること、そして演奏を聴いてくれるお客さんが目の前にいること、こうしたつながりを大事にしていきたいなと思います。

― 最後に来場者の方へメッセージをお願いします。
今では、いろいろな音楽を聴く媒体がありますが、このように生で聴くことは、耳だけでなく、体全身に来る響きを感じることができ、生の音楽の楽しさを感じていただけると思います。私たちの演奏で、日常からひと時、音楽の世界へ浸り、少しでも癒しになれば嬉しく思います。

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