1955年に開院した産婦人科、内科、外科の3科を行う診療所が源流の寝屋川・藤本病院。これまでに当院で誕生した赤ちゃんは3万人を超えています。
一祐会は「ありがとう おかげさま 嬉しい縁を 医療でつなぐ」という理念の下、人々の「生老病死」を支えています。私たちと共に働く仲間を募集しています。

次の時代を作る3人鼎談 次の30年のために、 ただいま「変身」工事中です。

藤本病院 看護部 看護部長 平岡 佳世  診療技術部 副部長 杉本 泰彦  事務部 副部長 町田 恒一

2025年8月、藤本病院グループは創設70周年を迎えます。その中核施設である藤本病院では、さらに次の30年のために、「変身」工事中です。それを牽引する看護部長、診療技術部副部長、事務部副部長の3人に、病院にある風土や特徴、リーダーとして心がけていること、そして「ありがとう おかげさま 嬉しい縁を 医療でつなぐ」という理念について、それぞれの思いを話し合ってもらいました。

【取材・文責/医療法人一祐会 法人広報企画部】

藤本病院の風土にある精神
平岡 藤本病院の職員には、「お互い様の精神」があるように思います。入職当時から今に至るまで変わりません。子育て世代の職員がいたら、カバーすることは当たり前だと周囲の職員は思っています。アクシデントが起きたときも、誰が指示をしたわけでもなく、周囲が自然に助けている。そんな風土があると思います。

杉本 ただ、私たちが入職してから20年以上が経過し、300人を超えるスタッフを擁する大きな組織になっており、若い世代の意識は変わっているところもあると思います。「お互い様の精神」を次の30年に結びつけていく必要があります。

町田 当院は中小病院なので、助け合って成り立つ組織であり、「お互い様の精神」が根付いたのではないかと思います。もうひとつ職員が当院を紹介するとき、よく使うキーワードは「アットホームな病院」と言いますね。

よくしゃべる病院
平岡 アットホームと言えば、理事長(外科医師)や病院長(産婦人科医師)が、役職者に限らず、職員と気軽に話をしていますね。「理事長や病院長は雲の上の人」などと、大きな病院の方から聞くことがありますが、うちには雲はありません。

杉本 研修でワークショップなどを行うと、同じテーブルについた人同士が、よくしゃべっています。ホントにしゃべっている。

町田 コミュニケーションがとりやすい空気感があるように思います。

採用後の教育体制は?
平岡 看護部ではキャリア採用で入職された方を対象としたプログラムを設定しています。入職後、まずは「看護技術チェック表」に記入いただき、教育担当者を中心にベテランスタッフが、その方の未経験の部分を中心に指導しています。
また、先輩が新人を1対1で指導するプリセプター制度を採用しています。

杉本 リハビリテーション科もプリセプター制度を採用しています。キャリア採用の方の場合、その方より経験年数が上の職員を先輩職員として配置。新卒採用の場合、年齢が近い入職2~3年目の職員が仕事のなかで指導しています。

教育のフジモト
杉本 理事長は、職員はプロフェッショナルであるべき、と、事あるごとに話してきました。学会参加や各種研修プログラムへの参加について、きちんと理屈が立てば、費用を全額、法人負担にしています。

平岡 日本看護協会の認定看護師資格の取得をする場合、指定の教育機関で6ヵ月間受講しなければなりませんが、当院ではその6ヵ月間を勤務扱いとし、基本給を支給するとともに、受講料の全額を負担する制度があります。

町田 臨床系だけでなく、事務系職員の学会参加もバックアップしています。2024年9月の全日本病院学会 in 京都では、事務職員5人がポスター発表、一般口演を行いました。私が担当する地域連携・退院支援課からは主任がKintoneを使った業務管理データベース構築の発表をしました。

リーダーとしてあなたが意識していることは?
杉本 最近私は、マーケターであり実業家の森岡毅さんの本をよく読みます。彼が言う「人の強みを生かす」マネジメントに共感しています。人生のなかで働いている時間のウエイトは大きく、部下の皆さんが仕事のなかで自己実現できるように背中を押していきたいと思っています。

町田 私は「管理する」という発想ではなく、メンバーが自発的に動き始めることに期待しています。仕事にはトップダウンの案件もありますが、できるだけメンバーが伸び伸びと仕事に取り組むように仕掛けたいと思っています。

平岡 話しやすくコミュニケーションが取りやすい存在、上司として信頼される存在でありたいと思っています。

「縁」を大切にする
平岡 一祐会の基本理念は「ありがとう おかげさま 嬉しい縁を 医療でつなぐ」というものですが、藤本病院は産婦人科を祖業としているためか、患者さん、ご家族、地域の皆さんとの縁が深いと感じます。地域と共に歩んできた病院だと思う機会がたびたびあります。

町田 私は理学療法士から地域連携の仕事に転じました。長く通院されている患者さんのなかには、地域連携課に転じてからも、お便りをい
ただいたり、声をかけていただいたりしています。患者さんと縁が途切れない病院です。

杉本 年賀状や暑中見舞を欠かさず頂戴する患者さんがいます。「縁」という言葉を聞くと、単に職員同士の関係ではなく、患者さんやご家族、開業医の先生方、介護分野の方、広く地域の皆さんとの関係にも当てはまるように思います。

2024年度は変革スタートの年
平岡 藤本病院にとって、新型コロナは大きな逆風でした。救急車や入院患者さんの受け入れを止めた時期もありました。そして、病院の機能を維持することのみに専念するばかりに、新しいことに取り組むことができませんでした。

杉本 2023年から2024年にかけて、いろいろなことを復活させてきました。久々に「職員忘年会」が復活しました。地域の開業医の先生方と交流を深める「地域連携の会」、近隣の消防局に勤める救急救命士を対象とした「症例検討会」も再開しました。

町田 寝屋川市は超高齢社会であり、業界の変化を感じます。コロナ禍が落ちついてから、高齢者施設の新規開業が続いています。新規に開業する診療所も増えています。つまり、地域連携の対象先は増えています。患者さんやご家族に選ばれるだけでなく、高齢者施設や診療所から選ばれる病院にならねばなりません。

いろいろと「変身」工事中
平岡 2025年は、電子カルテの更新を行います。更新に合わせて、仕事の改善をさらに進めて、働きやすい職場づくりをしていこうと思っています。また、患者さんの外来受診が便利になるよう、電子カルテに連動するスマホ用アプリを導入し「診察券の電子化」「再診受付の自動化」「外来での診察の順番をスマホで案内する」「クレジットカードを登録している方は会計窓口に並ばなくても済む」といったサービスの導入を予定しています。

杉本 長年の課題であった病院本館水回りの改修工事も実施されますね。患者さんの療養環境の向上を進めていきます。藤本病院は寝屋川の民間では初の病院として開院して以来、64周年を迎えました。長い業歴がある分、うっかりすると「古い」というイメージを持たれがちですが、いまは変革期にあり、チャレンジするタイミングになっています。

町田 事務系は大卒新卒の総合職採用をはじめました。医業経営は企業のような「事業経営」と合わせて、医療制度や診療報酬など「制度経営」の側面があり、実務を通して経営を学びたい人にとっては、恰好の職場だと思います。変化を作り出したい人や、変化を楽しめる人と一緒に仕事ができたら嬉しいですね。

藤本病院の歴史

1955年(昭和30年)8月、寝屋川市において産婦人科・外科・内科の3床の診療所から始まる。
若干32歳の院長と、事務を担当した妻22歳。若い二人はたくさんの患者さんを治療しようと考え、創業当初、診察は夜だけ。夜に診察して、手術は昼に行っていました。「夜診」の伝統は69年後の今に続いています。
1960年(昭和35年)4月、寝屋川の民間で初の病院に改組
戦後、寝屋川には大学の附属病院が開設されました。続いて公的団体が入院施設を持つ結核療養所を開設。寝屋川町が「寝屋川市」になってからも、公立病院が設置されることはなく、医療の大部分は個人の診療所が担っていました。
藤本医院は、1958年に創業の地(寝屋川市平池町)から現在の八坂町に移転。19床の有床診療所となりました。1960年4月、寝屋川の民間では初めて病院に改組。35床でスタートしました。その翌年に医療法人化しました。
1981年、現在の病院本館が竣工
1960年の寝屋川市の総人口は46,606人、その5年後(1965年)には倍以上の110,254人となり、医療需要の急増にどう対応するかが課題となりました。1964年に鉄筋コンクリートの病棟を建築(現存せず)。85床に増床しました。高度経済成長の波にのり、寝屋川市の人口は1970年には20万人、1975年には25万人を超え、医療需要に応えることが難しくなり、1981年、現在の病院本館(155床)を竣工させました。
介護と在宅サービスの時代へ
1990年代後半、介護保険法の施行に向け、藤本病院グループとして、入所型施設と在宅サービスの導入を急ぎました。
訪問看護室(1996年、現・藤本病院訪問看護ステーション)、介護老人保健施設ハーモニィー(1998年)、居宅介護支援事業所(2000年、現・藤本病院居宅介護支援事業所)、サービス付き高齢者向け住宅シンフォニィー(2017年)と、急性期医療の病院から、入所サービス、在宅療養までを結ぶサービス体系を作ってきました。
街の真ん中のケアミックス型病院として
大阪・北河内7市(寝屋川・枚方・交野・四條畷・大東・門真・守口)のうち、寝屋川市が最も65歳以上の比率が高い街(30.15%)となっています。これは家電産業の発展とともに、1960年代から70年代にかけて、住宅と団地の開発が最初に行われたことが背景にあります。
地域の変化に合わせ、2018年に病院東側に新館を増築。産婦人科の外来と病室を独立させ、リハビリセンターを拡大して設置。2019年には本館の病室、廊下、外装のリニューアルを行いました。産婦人科を祖業とする病院ですが、地域の高齢化に合わせて、現在は、急性期病棟と地域包括ケア病棟を持つケアミックス型の病院として市民の健康を守っています。

藤本病院の概要

正式名称 医療法人一祐会 藤本病院 (いりょうほうじん いちゆうかい ふじもとびょういん)
開設者 医療法人一祐会 理事長 藤本 明久 (ふじもと・あきひさ)
管理者 藤本病院 病院長 程 修司 (てい・しゅうじ)
法人所在地・病院住所 大阪府寝屋川市八坂町2番3号 (おおさかふ ねやがわし やさかちょう)
電話番号 072-824-1212 (病院代表)
創業 1955年(昭和30年)8月 [藤本医院、3床の有床診療所として開院]
病院開設 1960年(昭和35年)6月 [藤本病院に改組。35床で開院]
従業員数 380名
診療科目
(届け出科目)
■内科 ■消化器内科 ■循環器内科 ■外科 ■消化器外科 ■整形外科 ■産婦人科 ■泌尿器科 ■麻酔科 ■リハビリテーション科
主な専門医療 ■乳腺 ■神経内科 ■糖尿病
病床数 148床 (急性期病棟100床、地域包括ケア病棟48床)
平均在院日数 7.1日(急性期病棟2024年7月実績)
外来患者数 5,120人/月(2024年7月実績) 救
救急指定 二次救急
外来診療 ■午前診療/診療受付時間 8:00~11:45、診察時間 9:00~
■午後診療/午後診療は予約制です(一部を除く)。お電話にてお問い合わせください。
■夜間診療/内科・産婦人科…月・水・金
診療受付時間 17:00~19:45、診察時間 18:00~
※土曜日は午前診療のみ。
外来休診日 ■日曜日・祝日・年末年始
関連事業 ■藤本病院訪問看護ステーション(寝屋川市八坂町)
■藤本病院訪問介護事業所
■藤本病院居宅介護支援事業所
関連施設 ■介護老人保健施設 ハーモニィー (寝屋川市寝屋二丁目)
■サービス付き高齢者向け住宅 シンフォニィー(寝屋川市太秦桜が丘)
■若草保育所 [藤本病院職員対象]

藤本病院の特徴

「お腹が痛いときは藤本病院」と、連想されることをめざしています。
消化器内科、消化器外科、産婦人科、泌尿器科(非常勤)の4科目により、男性も、女性も、「お腹が痛いときは藤本病院」という体制を作っています。
腹腔鏡下手術を推進しています。
身体に負担の少ない低侵襲の内視鏡外科手術(腹腔鏡下手術)を外科・婦人科で積極的に行っています。

【当院で施行した腹腔鏡下手術】

  • 胃切除術
  • 子宮全摘術
  • 大腸切除術
  • 子宮筋腫摘出術
  • 胆嚢摘出術
  • 附属器腫瘍摘出術
  • 鼠径ヘルニア修復術
  • 子宮外妊娠手術
内視鏡検査年間実施数3,332 件
2023 年1月から12 月末日までの藤本病院内視鏡センターの内視鏡検査は、上部、下部、ERCP(内視鏡的逆行性胆道膵管造影)、小腸内視鏡の総件数は3,332 件となりました。前年のように、新型コロナウイルス感染症等によりセンターを休止させることはなかったため、前年対比105.3%(前年実績3,164 件)となりました。
24時間 365日、救急・急患の受付をしています。
藤本病院は、二次救急告示病院です。枚方寝屋川消防組合管内では、高齢者の増加に伴い、救急搬送件数が毎年増加をし続けています。2023 年は1,530 台の救急車を受け入れました。
寝屋川の病院では唯一の分娩可能施設です。
人口22 万4千人を有する寝屋川市ですが、分娩可能な産婦人科をもつ病院は当院だけです。年間約500 人の赤ちゃんが当院で誕生しています。地域のために、分娩のできる体制を維持してまいります。
リハビリテーションを充実させています。
2018 年に、病院本館地下から、新館3階に「リハビリセンター」として移転。現在、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士とサポートスタッフの約30 名が、入院・外来の患者さんを対象にリハビリを行っています。
「脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)」「運動器リハビリテーション料(Ⅰ)」「呼吸器リハビリテーション料(Ⅰ)」「がん患者リハビリテーション料」を届け出ています。

アクセス

  • 大阪駅から最短30分圏内です。京都市内からも通勤可能です。
  • 不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」の店舗等への問い合わせ数(2023年)から作った「みんなが探した住みたい街ランキング」(近畿版)のうち、「買って住みたいランキング」では「寝屋川市駅」が第3位になりました。職員の8割は寝屋川市内から通勤しています。