大腸癌
藤本病院における大腸癌治療
大腸癌治療は早期癌であれば大腸カメラによる治療が可能です。
ただし、条件によっては周囲のリンパ節も含めて切除する手術が必要になります。
進行癌では周囲臓器浸潤例、大腸閉塞例も含め、当院ではほとんどの症例で腹腔鏡下手術を行っています。
肛門に近い直腸癌も腹腔鏡下超低位前方切除とDST再建法を用いることで可能な限り肛門を温存しています。場合によっては直腸反転法を用いて安全な直腸切除を行っています。
手術適応の早期癌や根治的切除不能な癌に対する手術では、単孔式手術を行いさらなる低侵襲化を図っています。
手術で根治できない場合は、抗がん剤治療や緩和治療、代替療法を行い最後まで誠実な対応をさせていただいています。
大腸癌の症状
- 血便
- 便秘
- 腹部膨満
- 腹痛
- 嘔吐
- 体重減少
- 便が細くなる
- テネスムス
- 無症状
大腸癌治療の実態
便潜血検査(免疫法)
便を2回採取して血液が混じっているか調べます。
1回でも陽性なら大腸カメラによる精密検査が必要です。
便潜血陽性
- 大腸癌:3~4%くらい
- ポリープ:30~40%くらい
- 半数以上で何かの病気が見つかります。
便潜血陰性
- 進行大腸癌の10%
- 早期大腸癌の50%
便潜血陰性でも安心できません。便秘等の症状が気になる方は大腸カメラをお薦めします。
大腸内視鏡検査
肛門から大腸カメラを挿入し、大腸全体と小腸の終末部までを直接観察します。小さな病変まで観察可能で、病変を採取して病理検査をすることで確定診断ができます。(生検)
ポリープや一部の早期癌では大腸カメラで根治切除することが可能です。(EMRなど)また、手術が必要な病変に対してはマーキングすることで腹腔鏡下手術の準備ができます。
当院では専門の消化器内科医により月曜日から金曜日まで随時検査を行っています。
当院で行う腹腔鏡下大腸切除
局所病変であれば高度進行癌まで適応
切除範囲
- 回盲部切除
- 右側切除
- 左側切除
- 低位前方切除
- Miles’手術
再建方法
- DST(double stapling technique)
- 機能的端々吻合
- Prolapsing法
- 体腔内吻合
腹腔鏡下低位前方切除術
TME: total mesorectal excision(全直腸間膜切除)
肛門に近い直腸癌ではTMEおよびDSTを行うことで根治性を保ちながら肛門を残し、安全に腸管吻合を行うことができます。可能な限り自律神経を温存し、排尿機能、性機能を障害しないように留意しています。
腹腔鏡下低位前方切除術 反転法(Prolapsing法)
肛門に非常に近い病変の場合直腸を肛門外に反転することで安全に切除することができます。
いずれの場合も臍部創を最小限拡大して切除腸管を取り出します。